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皮革について

皮革について

革断面図
図1※一般的な皮と革の断層面

天然皮革のオモテとウラ

天然皮革の原料となる皮は、動物から採ったままでは皮革製品に加工できません。その皮(原皮)をなめして、柔らかくて丈夫な「皮革」にしています。
なめしとは、塩ズケして乾いて固くなった原皮を洗い、薬品を浸透させ、不要な脂肪分や組織を取り除きながら、その動物が生きていた時と同じような柔らかな状態に戻す作業です。
皮革には、動物の種類、その年齢、雌雄、使用部位、加工法、用途、主な産地などから、多様な名前が付けられていますが、どんな動物の皮革でも構造はほぼ同じです。
図1のように、原皮の一番外側が上皮層で、その下に乳頭層と網状層からなる「真皮」層があります。そして、真皮の下に皮下組織がはりついています。
革として使われるのは真皮だけで、上皮層と皮下組織は、なめしの過程で取り除かれます。真皮のうち、上側の乳頭層は「銀面層」ともいわれ、組織が綿密で表面はやわらかです。
その下の網状層は「床革」ともいわれ、柔らかですが、組織が粗く滑らかさはありません。

おもては滑らかな「銀面」

前項でみたように、革の外側(オモテ)と内側(ウラ)とでは、組織も外見も大きく異なります。 そのオモテとウラのどちらかを製品の表面に用いるかによって、「オモテ使い」と「ウラ使い」の二つに分けることができます。 またオモテ使いの製品は、どんな仕上げ加工を施すかによって、銀付きタイプと起毛タイプに分けることができます。
銀付きタイプとは、表側の銀面を生かしたもので、組織が密で滑らかな美しいさがある製品のこと。このタイプには、シワ加工を施したエンボス革など、多くの仲間があります。
起毛タイプは「ヌバック」とよばれるのので、革の銀面をサンドペーパーなどでけずり、キメの細かい毛羽を立てたもの。「銀すり革」ともいわれ、高級感のある美しいビロード状で、肌触りも非常に滑らかです。子牛の皮を原材料にしたものが高級品ですが、成牛の革などを用いたものもあります。

ウラの「床革」には要注意

革のウラ側を製品の表面に使うものには、「スエード」と「べロア」などがあります。 スエードは、革の肉内面の柔らかい網状組織を研磨用の金剛砂などで毛羽立てて製品化したもので、表面はビロード状になっています。 主に子牛や羊など小動物の革が用いられています。スエードとは元来「スエ―デン革」の意味で、例えばフランス語ではスエ―デン王国も皮革のスエードも同じスペルです。 これは、スエードがスエ―デンの特産品だった事情によるものです。 べロアは、オモテ側の銀面をはぎ取った残りの「床革」が原料。べロアとは、「毛むくじゃら」という意味で、起毛している外見をスエードに 似せていますが、組織の粗い層だけなので強度は劣ります。 本来、革は銀面層と床面が一体になっているものなので、床面を原料にしたべロアは衣料品には適しません。 ところが、その床革を利用した衣料品も多く、なかには厚い床革を二~三枚にスライスして使ったものや、床革に合成樹脂をコーティングしたものまで出回っています。特に粗悪なものには、肉面側の血管の跡がスジ状に入っている床革を使ったものもあります。そんな粗悪なものも、製造時に血管を分かりにくくしてしまうので選ぶときには注意が必要です。

皮革の種類

天然皮革の種類 特徴 主な用途
牛革 子牛(カーフスキン) 哺乳期の子牛からとれた革。カーフとは大型の哺乳動物の事で、スキンは小さい獣の皮を意味しています。牛の場合、品種によって哺乳期間に長短がありますが、ふつうは生後6ヵ月くらいまで。薄手できめが細かく柔軟な高級革です。ちなみに、鯨、象、鹿でもその哺乳期をカーフと称します。 衣料・靴甲革・バッグ・ベルト・装幀
中牛(キップスキン) 離乳後(生後約6ヵ月)~成牛となる生後約2年までの中牛の革。カーフよりやや厚手ですが、使い易い上質革です。キップとは幼獣の皮を意味し、子羊の皮や他の小家畜の皮などもキップと呼ぶ場合があります。 衣料・靴甲革・バッグ・ベルト・鞄・財布
成牛(カウハイド) 生後約2年で成牛となった雌牛(カウ)の革。ハイドは大きい獣の皮を意味しています。カーフやキップより厚い皮で、きめは粗いが丈夫。ステアハイドよりは薄い。ちなみに、まだ子を産まない未経産の雌牛はヘファと言います。 靴甲革・鞄・バック・ベルト・財布・工芸
ステアハイド 哺乳期後半の生後3~6ヵ月の間に去勢された雄牛(ステア)が成牛になった時の革。牛革の中では最も多く使われています。 靴甲革・鞄・バック・ベルト・財布・工芸
ブルハイド 生後3年以上で、去勢されていない雄牛(ブル)革。牛革の中では最も厚く丈夫なもの。 靴甲革・鞄・バック・ベルト・工芸
羊革 ラムスキン 生後1年未満の子羊(ラム)の革。柔らかい高級品で厳密には生後半年頃までがラム、その後はウイナーという。 衣料・ロングブーツ・手袋・装幀
シープスキン 羊(シープ)の革。ラムスキン以外の羊革のい総称(厳密には生後18カ月までをフォーゲットという)。薄くて柔らかい。 衣料・ロングブーツ・手袋・装幀
豚革 ピックスキン  豚革(ピックスキン)は強くて優れた耐久性があります。表面に3つずつの毛穴が開いているのが特徴。牛革に次いで用途が広いものです。 衣料・靴甲革・鞄・財布
ペッカリー 野豚(ペッカリー)の革。柔らかくて丈夫な高級品。表面に3つずつの毛穴が開いています。 靴甲革・手袋
山羊 キッドスキン 生後1年未満の子山羊(キッド)の革。きめが細かい最上級のものです。 靴甲革・バッグ・手袋・装幀
ゴートスキン 山羊(ゴード)の革。感触がソフトで丈夫。(羊に似た動物ですが、山羊にはアゴヒゲがあります。) 靴甲革・バッグ・手袋・財布・装幀
馬革 馬革 大判で柔らかい革。単に「バ」とも言います。銀面(光沢がある表面)が摩擦に対して弱いのが欠点。 靴甲革・バック・手袋 
コードバン 馬の尻部分の革。繊維が緻密で光沢が美しい。スペインの土地の名コルドバに因んだ名称です。 靴甲革・ランドセル・ベルト・財布
カンガルー革   薄くてきめが細かく、しなやかで丈夫。オーストラリアが原産。 靴甲革・バック・手袋
オーストリッチ革    ダチョウの革で、羽根跡の模様(羽根を抜いた跡が突起している)が面白く珍重されています。 バッグ・草履・靴甲革・財布
鹿革    セーム革とも呼ばれるものが有名(別名:シャモア・シャミ革)。鹿の革を油なめしで仕上げたスエード。柔らかい淡黄色の革。 手袋・衣料・ガラス拭き
爬虫類 ワニ革 クロコダイル、アリゲ―タなどの種類があり、凹凸模様が特徴の高級素材で高価格品。 バッグ・ベルト・靴甲革・財布
トカゲ革 丸斑模様のリング、縞班のオーバル、ジャワのリザードなどの種類があり、ワニとともに高価格品。 バック・財布・靴甲革・ベルト・草履
ヘビ革  ニシキヘビ、海ヘビ、水ヘビなどの種類があり、斑紋や鱗の模様に特徴があります。 バック・財布・靴甲革・草履
カメ革  メキシコ産の青ウミガメなどの足の皮をなめしたもの。ワニに似た鱗模様があり、丈夫な高級革。 バック・靴甲革・草履 

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